4/23/2015

Still Life

駆け込みで「Still Life」(邦題:「おみおくりの作法」)を観てきました。

ロンドン市ケニントン地区、民生係のジョン・メイ。
一人でなくなった人のルーツを探し、親族をあたり
弔うことを仕事としています。
この時代、いくらでもそういう仕事は簡素化できるのですが
彼は死者にも敬意を払い、他の人と同じように天国へお見送りします。

ある時、同じ団地に住む、アルコール中毒の男性が亡くなり
近所から異臭がするということで、亡くなって40日以上経って発見されました。
ジョンは、窓からも見える向かいのその住人が亡くなったことにショックを受け
アルバムなどをもとに、親戚を探しに。

ラストが意外な感じだったのですが、しみじみいい映画でした。
ジョン・メイを演じた俳優さんがやはりいい味を出していて
(わたしの知り合いに少し風貌と声が似ていたので
余計に親近感が湧きました)
他にも「ダウントン・アビー」に出てくる女優さんも出ていて
平凡のように見える日常生活にもいろいろあるな、と感じさせられました。

ジョン・メイは、毎日決まった服を着て決まったものを食べます。
仕事から終わって家に帰って食べる夕食は
魚?の缶詰とトーストとりんごと紅茶。
えっ、毎日このメニューで飽きないのかしら、と思ったけど
ちょっと食べてみたくなりました。

東京にいると、毎日刺激的なことばかりで
それもまた疲れてしまうことがありますが
毎日同じ日常のこの映画の中の風景も対照的だなと思います。


とても優しいジョン・メイ。
この日常が永遠に続けばいいのに、と人ごとながら思ってしまいました。

そして、なんとなく聴きたくなってしまったこの方の声。