5/23/2016

Romeo and Juliet

週末、文楽を観てきました。
人形浄瑠璃ですが、昔、多分中学生だった時に授業の一環として
観たような記憶があるのですが
なんせ何も人生経験もない中学生。。「観た」という記憶だけしかありません。

今回、初心者のための解説付きということで行ってきました。
演目は「曽根崎心中」です。

近松門左衛門による作品で、
実際に起きた心中事件を題材に、近松門左衛門が作品にしたところ、
心中が大流行し幕府が慌てて取り締まったそうです。

お醤油屋の徳兵衞は、天満屋の遊女、お初と相思相愛で
結婚の約束をした仲です。
お醤油屋の主人の伯父が、縁談を進めていて
それを断ったところ、結納金を継母が勝手に受け取っていたため
それを取り戻したところ、友人の九平次がそのお金を貸してほしいと持ちかけ
友人だからと貸したところ、元々返す気がなく
騙されたことを知った徳兵衞はお初と一緒に心中をする。。

というお話ですが、語りと三味線、そして人形を使って表現します。
第三部あって、それぞれ語りの人と三味線の人が違いました。

人形は3人で動かしていました。
そのうち二人は黒い頭巾をかぶった黒子さんでした。
その他大勢の人形は一人で動かしていました。

なぜ当時大流行し、今でも人形浄瑠璃や歌舞伎などの演目でも
たびたび使われるのか、と調べたら
やはり誰にでもわかりやすい、そして切ないストーリーが
共感を呼ぶようです。
海外で言えば、「ロミオとジュリエット」みたいな感じですかね。

今の時代だったら、二人で共謀して九平次を殺して埋めて。。
と事件になってしまいそうですが
第三部の、二人で夜の中逃げるシーンはたしかにホロっとしました。

「この世の名残、夜も名残、死ににいく身をたとふれば、
あだしが原の道の霜、一足づつに消えて行く、
夢の夢こそあはれなれ。
あれ数ふれば暁の、七つの時が六つ鳴りて、
残る一つが今生の、鐘の響きと聞き納め、
寂滅為楽と響くなりー」

お初が
「これからこの世の暇乞ひ、懐しの母様や、
名残惜しやの父様や」
と声も惜しまずむせび泣き

ここがわたしには切なさを感じました。
お初、今の時代ではないにせよ、まだ19歳ですからね。。


切なさが思う浮かぶメロディですね。

近松門左衛門と同期?のこちらの展示も観たかったですが
連日長蛇の列と聞いて諦めました。。